前回の続きです。
私は仲良しのチリ人家族とクリスマスを、湖の辺のコテージで過ごしました。
6歳の女の子アグはサンタをまだ信じており、私は会話や行動から墓穴を掘らないように必死です。

なぜならフェリピートが小さくてまだ4、5歳だった時、車のトランクに親がプレゼントを隠していたのを見つけて、3歳違いの姉に教えたらしく、そしたら姉はサンタを信じきっていたので大泣きしたらしいのです。
私はサンタを信じて育った経験がないので、信じている子の感情の予想ができない分、もしもバレるような事が有ったら何がおこるか分からなくって怖いんです。
それにプレゼントをツリーの下に置くまでの、大人たちのきめ細かな配慮や真剣な演技を見ていると、もしも私が墓穴をほってアグが勘付いた場合、大人たちに迷惑がかかりますから。
しかもアグは6歳で、けっこうシッカリしてて、もうそろそろ限界だと思うんですよ。

そしてサンタがもう来たと言う設定で、コテージに戻ると、ツリーの下には私が手伝って置いたプレゼントの山が有りました。
それを見たアグのリアクションは、意外にも小さいのです。
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プレゼントの量には驚きはないんですね。
自分だけのプレゼントでは無い事を知っての事か、毎年こんなもんで慣れているんでしょうね。
でもアグがプレゼントを開けて中身を見た時のリアクションは、舞台女優も顔負けでした。
嬉しい時って天を仰いだり、回転したり、抱きしめたりするもんなんですね。
ここまでやってくれるもんだから、大人たちもプレゼントをしたくなるのでしょう。
どんどんプレゼントを開けて行くのですが、開け方が大胆で素早くて、そこには演技の要素はなく、100%真実を見ているようでした。
手提げの紙袋の上を止めた状態のプレゼントでも、袋の側面をポテトチップスを開けるように、力いっぱい引っ張って裂くんです。
手当たり次第プレゼントを掴んだ所から、そのまま手を移動させずに、力を入れて裂き、袋はその場に投げ捨てるのです。

私たちも大人も、それぞれプレゼントを受け取って中身を見ます。
アグが喜んでいる間、アグのお母さんは私からのプレゼントを受け取り、私に「ありがとうカヨキート」と言います。
そんな事アグの直ぐ横で言って大丈夫なのか?と思いましたが、アグは自分のプレゼントに夢中で叫んだりしている最中だったので、大丈夫なんですね。
横ではお父さんが「あ、これは今年のモデルだ!従兄弟がわざわざ手に入れてくれたんだ!」とか言っているんですよ。
私もお母さんに、プレゼントした物の一つ一つの使い方を説明しました。
みんなそれぞれ、普通に「お爺ちゃんからだ!」とか言っているんです。
ちなみにほぼ全ての袋には誰宛なのかと、送り主は空白か、代わりにサンタと書かれております。
まぁ、アグはそんなの見ずに袋を破いて行くだけなんですけどね。

プレゼントの開封が終わり、アグもプレゼントで遊び出そうとしている所に、アグのお姉ちゃんが遠くからアグを挟んだ位置で、「フェリピート、カヨキート、プレゼントありがと〜」と叫ぶのです。
それには私は固まりました。
アグに反応は無かったけれど、それを言って良いのかー?サンタからのプレゼントの設定じゃないのか?って、固まりました。

固まっている所に、お母さんが「ほらアグ、このプランターのハーブは叔母さんからだよー」ってアグに直接話しかけています。
え?そこはサンタからの設定から外れているんですね。
更にはお母さんは「あらアグ、カヨキートからのプレゼントバラバラに置いて!ありがとうって言いなさい!まぁカヨキート、これ良い匂いねぇ!」ってもうお構いなしになってます。
30分前はあれだけお母さんはアグに対して、「あれサンタじゃない?あの光はサンタだよー」って必死に演技していたのに!
何をどう理解していいのやら。
少しずつバレる要素を入れていって、成長過程で本人が自然と気づいて行くように仕向けているんでしょうか?
私はかなりドギマギしていましたよ。
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